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菊池省三先生のほめ言葉のシャワーのやり方、実践している教師は?

   

教室

12月5日の『世界一受けたい授業』(読売テレビ)では、学級崩壊立て直し人の驚きの教育法として、菊池省三先生の「ほめ言葉のシャワー」を紹介。菊池省三先生の人物像、「ほめ言葉のシャワー」のやり方は?他に実践している教師はいるのでしょうか?

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子ども達が激変する「ほめ言葉のシャワー」とは?

「ほめ言葉のシャワー」とは、毎日、学校の帰りの会などで、日替わりでその日の主役になる生徒が壇上に上がり、クラスのみんなでその生徒の良いところを伝え合うという活動です。

1クラス30人の生徒がいるクラスなら30人のほめ言葉が1人の生徒にシャワーのように浴びせられ、年間5巡ぐらい回ってくるので、1人150回ほめられるわけです。それが30人の生徒に対して行われるので、教室には4500のほめ言葉が飛び交うのです。

「人は相手を通してしか自分のことはわからない」と言われますが、ほめ言葉のシャワーによって、生徒は自分のいいところがわかるので、自己肯定感は高まり、自分に自信を持つようになります。クラスにはプラスの言葉ばかりが飛び交うので、生徒たちの間には良好な関係が生まれ、クラスは温かい雰囲気になります。

また、他の生徒の良いところを見つけようとするので、相手に対し関心を持ち、生徒には細部に気づく力や、言葉を考える力、表現する力が身につきます。菊池省三先生の言われる「各教科・領域の根底をなすもの」が育っていきます。

 

「ほめ言葉のシャワー」のやり方

「ほめ言葉のシャワー」のやり方は次の通りで、約15分程度で終わります。

  1. その日ほめられる生徒1人を決め、他の生徒は1日主役の生徒の良いところを探す
  2. その日の帰りの会などで、主役の生徒はみんなの前に立つ
  3. みんなはその日主役の生徒が頑張っていたことをほめる
  4. ほめられた生徒はお礼のスピーチをする
  5. 最後に教師がコメントして終了

主役の生徒をほめるときは、「事実(エピソード)+気持ち(なぜそれがいいのか)」の構成でほめます。例えば「◯◯君が机の間に落ちていたプリントを拾って、落とした子に渡していました。さりげない優しさが五年生の時よりも成長しているなと思いました」というようにほめます。

ほめ言葉は、1人の生徒が話し終わったら間髪入れずに次の生徒に移ります。その日の主役の生徒の言動を他の生徒と重ならないように、エピソードを探し、理由を添えてほめていきます。

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生徒を成長させるための取り組み

菊池省三先生は「ほめ言葉のシャワー」の他にも生徒の成長のためにあらゆる取り組みを行ってきました。その中でも代表的なものは次のようなものです。

  • 成長ノート
    目に見えない心の成長を、ノートに書くことで生徒自身に自覚してもらうという取り組みです。教師が与えたテーマに添って、じっくりと考え、文章に表していきます。菊池省三先生は休みの日10時間もかけて1人1人の生徒の成長ノートにコメントをびっしりと返していました。
  • 白い黒板
    黒板にチョークで書いた言葉で真っ白に埋め尽くします。例えば先生が「◯◯君が1年間頑張ったことをみんな書いて上げて」と言うと、生徒全員が黒板に思ったことを書いていきます。「名前をきれいに書くようになりましたね」、「貧乏揺すりをしなくなりましたね」こんな言葉で黒板は真っ白になります。

他にも、価値語、質問タイム、係活動、ディベート、対話・話し合い、コミュニケーションゲームなどの取り組みがあります。菊池省三先生いわく、書籍やDVDに詳しいとのことです。

 

菊池省三先生のプロフィール、人物像

菊池省三(きくち しょうぞう)
1959年、愛媛県生まれ。山口大学教育学部卒業。全国ネット「菊池道場」道場長。
元福岡県北九州市公立小学校教諭。文部科学省の「『熟議』に基づく教育政策形成の在り­方に関する懇談会」委員。菊池道場 道場長・元小学校教師

元小学校教諭とあるように、菊池省三先生は、今年2015年の春、小学校教師を退職されていて、現在は、従来の「一斉指導型」の教室から、安心と信頼の中で行われる『話し合いの授業』への転換を目指し、講演会、セミナー、少人数の教師を対象にした勉強会「菊池道場」の活動に力を注いでいます。

菊池省三先生は2012年7月、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演したことで、学級崩壊を立て直す教師として注目されました。

現在のような活動をするようになったきっかけは、30代の時に受け持ったクラス。学級崩壊していた6年生のクラスの担任になった菊池先生は、最初の授業で生徒に自己紹介をさせたそうです。

すると4、5名の生徒は自己紹介ができず泣いてしまいました。他の生徒も泣かなかったものの、堂々と自己紹介できた生徒はいなかったようです。生徒間の人間関係がズタズタだったため、自己開示できなかったのです。

どうにか人前でまとまりのある話ができるような子供にしてやろうと考えた先生は、ビジネス書などを読み漁り、手探りでコミュニケーションの指導を始めました。まずはスピーチの練習から始め、最終的にはディベートへと発展させていきました。

その結果、生徒一人ひとりが自分をしっかり表現できるようになり、クラス全体が団結力のある強い集団になったそうです。

「ほめ言葉のシャワー」と聞くと、「ほめてばかりで甘やかしすぎではないか?」という考えが浮かぶ人もいるでしょう。しかし、菊池先生は、叱るべきところは、厳しく叱ります。
教師として絶対に曲げてはいけないところはその考えを貫きます。

生徒一人ひとりに向き合い、一人も落ちこぼれを作らず、生徒の可能性を見出し、それに価値付けをしていく。そしてその価値を広げていく。菊池先生はそんな教育ができる数少ない教師の一人です。

菊池先生が大切にしている言葉に「啐啄(そつたく)」という言葉があります。

啐(そつ)とは、ひな鳥が卵から出ようとして殻を破る音。啄(たく)とは、親鳥が助けようと外側から殻をつつく音。

ひな鳥と親鳥のタイミングが合わなければ卵が無事にかえらないという意味です。生徒の心に「変わりたい」「成長したい」という気持ちが芽生えた時に、教師が背中を押す。

そんな菊池先生に大きな影響を与えたのは桑田泰助先生という恩師だそうです。

 

「ほめ言葉のシャワー」を実践している教師

教師を引退した菊池省三先生は、今年「菊池道場」を全国ネットとして正式発足させました。全国の教師が菊池先生の指導を仰ぎに、各地にある「菊池道場」に集まります。多くのぎらぎらした若い先生たちが菊池先生の指導法を日々実践し、研鑽しています。菊池省三先生のホームページでまもなく菊池道場の支部について掲載されるようです。

すでにfacebookでも活動をオープンにしている支部もありますので、菊池先生の指導法を実践している教師や菊池道場のことが知りたい方は「菊池道場 支部」で検索してみてください。

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